当ストーリーは、Steelcase 360シリーズ「距離を感じさせない工夫」のひとつです。
ベアトリス・アランテス、マネジャー、ワークスペースフューチャーズ、Steelcase
「ポスト・コロナ」時代の新たな世界では、従来の常識やルールは通用しなくなるだろう。これはチームが職場にいようとテレワークであろうと関係ない。
不確実な時代にすでに突入している現在、変化は突然訪れ、企業活動や従業員の日常業務やサポート体制を混乱させることになることは間違いないからだ。在宅勤務に慣れている人でさえ、家族が常にいる中での仕事は通常より困難を伴う。一人暮らしの人も一週間ずっと人に会わない状態はストレスが溜まる。常にネットでつながって仕事をしているチームでさえ、将来の心配や大切な人と会えない状態が続くことへの戸惑いを隠せない。
チームメンバーの意欲を掻き立て、いかに仕事に集中させるかが緊急課題になる中で、チームを率いるチームリーダーの役割は非常に大きい。チームの連携力を高めるには、まずはメンバーが身体的、認知的、情緒的に健康であることだ。当社は、日々の業務の中でその全てがバランス良く整うために、環境や業務プロセス、働く人の習慣をどう変化させればいいかを研究している。それが混乱に陥っている現在、新たなバランスを構築するために個人とチームのニーズを探り、実践に向けてその対策を考えることが重要になる。
当社の頭脳集団であるワークスペース ・フューチャーズグループは、従業員が健康的かつ意欲的に仕事をこなすためのウェルビーイングを下記の6つの側面から探った。こういった社会の危機的状況をウェルビーイングについて包括的に考えるいい機会と捉えてみよう。
活力
健康を維持するために必要なのが十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、そして、安全な環境である。自宅待機の場合、その機会は大きく減るはずだ。下記のような問いかけをしてみよう。
姿勢や周囲の雑音など、自宅で快適に仕事ができるスペースがあるか? 難しい場合には、創意工夫しながらそのスペースを改善できるか?
ヒント:
- 身体を動かしたり、ストレッチや椅子ヨガをする時間をつくる。デスクが姿勢を頻繁に変えられる上下昇降タイプでない場合には特に、姿勢を意識的に変えてみる。
- 可能であれば、通話中は歩くか行ったり来たりしながらでも身体を動かすよう心がける。チームリーダーは、積極的にこの意識をメンバーと共有すべきである。身体を動かすことは、健康に良いだけでなく、脳が刺激され集中力が高まり、気分を安定させ、記憶を長期にわたって定着させる。
- 外の景色を眺める、新鮮な空気を吸う、植物や自然の写真を見るなど、なるべく自分の中に自然を取り入れる。自然は人間に活力を与え、健康を改善させる。
- 仕事とプライベートの区切りを明確にし、オンオフのメリハリをつける。24時間つながる社会の中で決してダラダラと仕事をしない。
- ストレスを感じた場合、無意識に間食や暴飲暴食に走ることがある。脳には難しいことを考えないようにエネルギーを節約しようとするメカニズムがある。朝、目が覚めた時、何に取り組んできたか、最後に何を考えたかをメモにしてみよう。問題を乗り越えるにはどうすればいいかを考えてみることで精神的にいっぱいいっぱいにならずに済む。
マインドフルネス
「マインドフルネス」は瞑想の代名詞のようになっているが決してそれだけの意味ではない。相手の言っていることに真剣に耳を傾ける、自分の身体や心に向き合うなど「今」というこの瞬間を意識することでもある。マインドフルネスを実践することで、気分は改善し、免疫力を高められるということを実感できるようになる。
自分が今していることや話している相手と真剣に向き合うことができているか?
ヒント
- 不安や心配がある時には、「見る、聞く、嗅ぐ、触れる」といった五感を全開にして全てを観察してみる。意識的にゆっくりと深く呼吸してみよう。そうすることで副交感神経が活発になり、自然治癒力が増していく。
- 時間を忘れて仕事に没頭できる状態は自然な高揚感を生み、新たなスキルを習得しやすくなる。
本来の自分
職場でありのままの自分でいられることを望む人がますます増えている。しかし、今回の社会的混乱による突然の在宅勤務でその極端を経験せざるをえなくなった。オフィスとは違って自宅からのウェブ会議は、自宅のプライベート空間や音がカメラやマイクを通して同僚に晒されてしまい、その現実に戸惑った人も多いはずだ。家にいる子供の世話をしなければならず、ミーティングにも参加できない場合もある。そのことがスケジュールの遅延を招くこともあるだろう。こういった問題が発生した場合は、以下のことを考えてみよう:
自宅からのウェブ会議をどう思うか?
そういった問題によって実際の仕事のスケジュールに影響が出ているか、また、その現実をどう改善できるか ?
ヒント
- チームリーダーは、チームが直面している苦労を共有することが大切になる。人間誰しも完全ではない、異常事態である今、どうやったら仕事が上手くはかどるかをメンバーと一緒に考えてみる。
- 遠隔からの電話やビデオ通話をよりスムーズに快適に行うためにはどうすればいいかを検討しよう。例えば、会議によってはカメラをオフにする、画面の背景を設定する、邪魔が入らない特定な時間に会議を予定するなどがある。
帰属意識
他者を大切に思い、つながりたいと思うのは人間の基本的欲求である。長期間にわたって他者と社会的距離を保ち、自らを孤立させることは心身の健康にも悪い影響を及ぼしかねず、これまで慣れ親しんでいた日常的つきあいがなくなることにもなる。
今まで楽しみにしていて、それがなくなってしまったつきあいとは何か?
ヒント
- 会議の議題に入る前に世間話や雑談をする。
- 会議以外でも同僚とコーヒーを一緒に飲みながらネットでおしゃべりをする。
- 夜は自分の大切な人とネットでつながる。
- チームのグループチャットを活用しながらお互いに進捗状況を共有することで、よりチームへの帰属意識を感じられるようになる。
- 組織とつながり、一致団結して状況を克服できる方法を見つける。
働きがい
仕事にやりがいを見いだせる最も重要な要素のひとつは、明確な目標に向かって仕事をし、それが社会的貢献にもつながっていると感じられることである。これは、ネットだけでつながって仕事をする場合には見えにくいことが多い。自分の仕事の価値が見えるような具体的な方法を探ってみよう。
仕事で最も満足していることは何か?今回の社会的混乱の中でそれが変わったか?その満足感を再度感じるためにはどうすれば良いか?
ヒント
- プロジェクトの業務と進捗状況を確認するためにネット上にバーチャルボードをつくる。
- 定期的にメンバー同士でお互いの現状や直面している課題、達成項目を共有する。
- 毎日、プロジェクトの進捗状況を自分なりに書き留めよう。プロジェクト名を紙の一番上、その下に日付、達成項目というように、たとえ、その達成項目が少なくても毎日書き留め続けることが重要である。
- 毎日仕事に取り組める動機が何かを考え、紙に書き、PCの横に貼り付ける。
楽観性
非常に不透明で制約のある生活を強いられている現在、人々は不安と無力感に苛まれているはずだ。しかし、決してその負の感情に屈しないことだ。現在のような状況を前向きに捉え、最大限に活用することを考えよう。
特に苦労していることはあるか? 自分や家族や友人、職場のチームがこの困難をどう克服できるだろうか?
ヒント
- 毎日、3つの感謝を書き留めよう。
- 何かで困っている人を手助けする習慣をつけよう。他人を手助けすることで実際に気分が良くなり、心拍数も下がるという研究結果が出ている。
どんな困難な状況にあっても最善を尽くす方法はある。上記はそれを前提にした私たちの提案である。チームリーダーは、メンバー同士がアイデアを互いに共有するよう促すこと、そして、何よりも大切なことは、自分はもちろん、周囲に対して寛容な気持ちを持ち続けることを忘れないということである。そうすれば皆が心をひとつにしてこの危機的困難を必ずしや乗り越えられるはずだから。
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