本日、Steelcaseは、事業全体で「カーボンニュートラル」を達成したと発表しました。 当社は、パリ協定の最も厳しい枠組みと合致した科学的根拠に基づいた意欲的目標を設定し、さらにその取り組みを推進していきます。
地球温暖化は、世界的な緊急課題となっています。今、世界規模でいかに対策を講じるかで今後数十年における未来の姿が決まります。当社は、現時点でCO2排出量と除去量をプラスマイナスゼロにするという「カーボンニュートラル」を達成しています。さらに、科学的根拠に基づいた地球温暖化対策に向けて、SBT(Science Based Targets、科学的目標)イニシアティブによって承認された削減目標を設定し、意欲的な包括的戦略で2030年までに「カーボンネガティブ(またはクライメットポジティブ)」実現を目指しています。
また、コロナ禍においても固い決意でその施策を推進するよう努めてまいりました。そして、自社だけにとどまらず、顧客企業の皆様やサプライチェーンともビジョンを共有し連携することで、その効果を増大させることを計画しています。
意欲的な目標
今後10年間、地球温暖化による最悪の状況を回避できるスピードで大幅なる排出量削減に向けた取り組みに注力してまいります。その目標達成のために、エネルギー使用量の低減、製造廃棄物の削減、行動規範や意思決定とも同調させながら施策を積極的に進めてまいります。また、当社排出量の多くは間接排出であることから、サプライヤーとも連携しながら削減目標を共有してまいります。
目標としては:
2030年までに自社事業からの無駄な排出量を50%削減する。
出張等の間接排出量と事業における廃棄物を削減する。
サプライヤーと連携しながら2025年までに科学根拠に基づく独自の目標を設定する。
これらの目標によって、当社は、地球温暖化原因である温室効果ガス削減に向けて1.5°C目標に積極的に取り組んでいる200社ほどの中に名を連ねることになります。この極めて意欲的な排出削減にコミットすることで、当社はパリ協定の最も厳しい目標設定を満たすことになります。
1.5°Cという数値は、一見低い目標に見えますが、このわずかな温度変化がもたらす影響は絶大です。密接にバランスをとって成り立っている生態系は、温暖化によってその一部が破壊され、他へと連鎖していきます。実際、気温が1°C上昇したために、記録的な豪雨、山火事、熱波、洪水など世界各地で人の暮らしや経済に様々な悪影響や被害を及ぼしています。今、対策を講じないと、海面上昇や氾濫による水没都市や居住移動を強いられるなどさらなる深刻な社会的混乱に直面せざるをえません。
建造環境
また、当社にはオフィス家具業界をリードする社会的責任と義務もあります。 2060年までに、世界で2.5兆フィート分の建物が建設されると予測されています*。建造環境は、温室効果ガス排出量の最大要因としてすでに深刻な影響を及ぼしています。報告書によると、世界の建物運用に関わるCO2排出量は全体の28%、建材と工事施工は11%**を占めています。建造環境は問題の一端を担っているため、その解決に向けて積極的対策を講じることは、私たちの社会的責任でもあります。
Steelcaseは、創業以来100年以上にわたり、環境保護をコアバリューのひとつとして位置づけ、その取り組みを継続しています。
過去10年間では、温室効果ガス排出量の30%以上の削減を達成しました。製造工程から有害物質を取り除き、水消費量を抑制し、代替エネルギーへの投資にも積極的に取り組んでいます。今後100年以上生き抜く長寿企業になるために、気候変動の緊急性とその予測される影響を真摯に受け止め、着実にその歩みを推進してまいります。
「波及効果」
当社は、長年にわたる環境課題への取り組みとその経験から、ある行動が別の行動を引き起こし、社会に好影響をもたらす連鎖的な「波及効果」を信じています。多くの企業がCO2排出削減を掲げ、当社の協力や支援を必要としています。当社の目標達成への具体的な取り組みと、その削減施策が消費者である企業のお客様の戦略とどう合致するかの具体的かつ詳細な情報公開が不可欠になります。また、将来的には、CO2排出量の測定とその検証方法も併せて公開し、サプライチェーン全体でもその目標と施策を共有してまいります。
地球温暖化という地球規模の緊急課題が顕在化する中で、各国政府や企業が一体となってこの危機的問題に取り組むことこそが解決につながります。一企業として、そして、業界のリーダーとして、周囲に働きかけながら人類と社会の利益のために共に取り組むことが大きな変化をもたらすことを心から願っています。
* 国連、2017年度グローバル環境概観レポート
** 世界グリーンビルディング協会、2010年度グローバル概観レポート
さらなる詳細は、2020年度インパクトレポートをご覧ください。