「学習」の新たな潮流
動くことで学ぶ
もしできるなら、世界中の学校で採用されている「座って、学ぶ」という学習スタイルを禁止したいものです。理由は多くの調査と教室での体験がそれを物語っています。脳を活性化しつづけるためには「動くこと」が必要なのです。
動くことは学ぶことを加速させ、記憶力を高めます。と説い ているのは「心・脳・教育」:神経科学の教室への影響(2010 年)の著書を持つ作家兼教育者であるDavid A. Sousa 氏です。動くことで血行がよくなり、脳に血流を送ることが できます。動きながら学ぶと脳は活性化するのです。
カナダ人の高校教師であるAllison Cameron 氏は高校の 教室にエアロバイクとランニングマシーンを装備し、運動と 講義を20 分毎に交代しながら美術の授業を行っています。 その結果はどうでしょう。試験の点数が伸びたのです。中 学2 年のあるクラスではそのライティングの試験点数を1 年後には245%アップさせたといいます。それに比べ、も う一つのクラスでは40 分の授業をすべて講義にあてて、 ライティングの試験点数はダウンしたのです。
Lengel & Kuczala 両氏の著書、「運動感覚教室:動くこと で教え、学ぶ(2010 年)」で説いているのは、動くことで学 生は改めて集中し、その集中力を強化するという事実です。 学んでいる時に学生をイスから立ち上がらせ、環境を変化 させることで脳がリフレッシュすると言います。
企業もこの動くことの利点を学び始めています。エコノミスト誌が最近報告した記事によると「長時間静止していることはどれほどジョギングやジムのマシンで運動をしたとしても身体には良くありません。最新調査にもあるように必要なのは継続的に身体を軽く動かす(立つことも含む)ことで、座っている姿勢では筋肉は動かないからです。高さ調節付きテーブルやランニングマシンデスクや、身体を動かすことを促進する家具を意図的に配置して、社員が動くように意図的に仕掛けている企業もあります。しかしながら、学校の管理者にはこういう考えがないのです。
GVSU で運動科学を専門としているJohn Kilbourne 博士 はこれを変えようとしています。
「アクティブなワークプレイスがあるように学生にも同じような環境を提供するのはおかしくないことです。積極的で能動的な指導や学習のための環境をぜひ創りましょう。」
20 年以上もKilbourne 博士は30 から40 台の机とイス が整列されている典型的な教室で講義/討論クラスで教鞭 をとっていました。「限られたスペースと時間、そして前後 の授業があるためにレイアウト変更することは不可能でし た。」
ゲームとスポーツの歴史や哲学を専門とする彼は最終的に 動かせない固定机にうんざりし、遊び感覚の指導/学習ス ペースである「アクティビティー型教室」というものを創り ました。その教室にはバランスボールやSteelcase のNode チェアが含まれています。
1 学期の後、彼は試験の点数の他に学生のノートをとる、 集中する、討論する能力を評価することで新しい教室の効 果を測定しました。結果は圧倒的に有益だと判断せざるを えませんでした。それに加え、89%の学生がすべての授業 でこの可動性を望んだのです。
翌年、Kilbourne 博士はハイテーブルを追加し、昨年は Steelcase のセカンドブランドであるturnstone のシート が12°まで傾き、身体を積極的に動かしたくなる新しい Buoy TM スツールを採用しました。「この製品はバランスボ ールにも似ていて、安定性が高いので驚きました。」と述べ ています。
「学習というものはもっと能動的で一つの場所に座っていて出来るものではないのです。特に学生同士が一緒に学ぶ場合は特にこのアクティビティ型教室は威力を発揮すると確信しています。」
学生の98%はすべての授業で可動性を望んでいます。
「アクティブなワークプレイスがあるように学生にも同じような環境を提供するのはおかしくないことです。積極的で能動的な指導や学習のための環境をぜひ創りましょう。」
学習スペースを設計し、管理する大学の管理者、教員、デザイナーや研究員など関係者全員が可動式の什器を採用し、動くことを促進するスペースを推奨すべきです。
学生たちは自ら規律を課しながら学習に集中する義務があります。そして、私たちには退屈で落ち着かない環境を創造するか、学習意欲や士気を高め、刺激する環境を創造するかの責任があります。
私たちのこの動きにどうぞ賛同してください。