ハイブリッドワーク

出社したくなるNYオフィス事例

活気溢れるニューヨークの近隣地区から着想を得る

所要時間 7分

お洒落なデリや賑やかな高級食材店が立ち並ぶダウンタウンから、静寂なセントラルパークや風格ある煉瓦造りが美しいブルックリン地区まで、ニューヨークの近隣地区はそれぞれに歴史と個性を持ち、多様な文化とエネルギーが集まる「眠らない街」としても知られています。刺激と興奮、緑の多い休息の場所が混在し、多種多様な魅力に溢れています。ハイブリッドワークが私たちの暮らしや生活の中に定着し、オフィスが大きく進化しようとする中、世界中から人を惹きつけてやまないニューヨークの街の機能から私たちは多くのことを学ぶことができます。

ソファにゆったりと座りながらカジュアルな雰囲気でのビデオ会議。どこにでも簡単に持ち運べるサイドテーブルやモバイル電源を配置することでソファ席でも充電切れを心配せずにパソコン操作もスムーズにできる。

Steelcaseが世界中に展開するライブオフィス、Steelcase WorkLife(ワークライフ) New Yorkは、ニューヨークを代表するコロンバスサークルやセントラルパークを見下ろす場所に位置し、今回、進化する働き方に合わせてスペースをリニューアル。環境に合わせて姿を変え続ける街とハイブリッドが定着したニューヨーカーの働くニーズを反映しています。

同施設は、街並みと呼応するようにそこに居住する人々をサポートする進化するデモスペースとして機能。高度なプライバシーを備えた集中ワークのための「ホーム」、チームがカジュアルに協働できる「コラボレーションスペース」、自然に人が集い、楽しく心地よく雑談しながら絆を高める「交流スペース」などで構成されています。

ハイブリッドオフィスに従来の常識は通用しない

Steelcase が実施したグローバルな実態意識調査によると、在宅勤務希望者が45% いるのに対して、オフィス出社希望者はわずか21% です。つまり、通勤してでも出社したいと思わせるには従来にない魅力あるオフィス体験を創造するしかありません。そして、多くのワーカーが望んでいるのがこれからの 「ハイブリッドコラボレーション」のためのスペースや可動式の家具やツールによるスペースの柔軟性、そして、プライバシーの確保です。

当社の設計デザイナーが目指したのは、周囲の街並みとそのエネルギーを空間に反映させ、誰もが毎日その日の作業と気分に合わせて選択できる「場」づくり。チームの目的地となる「ホーム」、多用途を念頭においた柔軟なマルチモードスペースなどです。また、組織のレジリエンス強化のために拡張性が高く、変更やアップグレードがしやすい組み合わせ自在なモジュラー式にスペースを設計すること。そこでは皆が日々楽しく仕事への生きがいを感じながら自主的にアイデアを生み出せることが極めて重要なポイントでした。

ソーシャルハブ

3フロアからなる同施設の8 階には、今日の多様な働き方やコラボレーションを目的とする多種多彩な「ソーシャルハブ(Social Hub)」を設置。会社の顔ともいえる来客を迎える「場」として、朝のコーヒーを片手に窓からの景色を楽しめるなど自然と人が集まり、コラボレーションや交流の「場」として機能する仕掛けです。また、Microsoft Surface Hub 2S、Steelcase Flexマーカーボード、モバイル電源などの高性能なデバイスやツールを完備し、仕事も即座にできる柔軟性も備えています。

スカイボックス

「スカイボックス」は、高性能な個室型ハイブリッドコラボレーションスペースとしてチームの主軸になりつつある。

たっぷりの自然光と外景が魅力の広めの個室型スペース、「スカイボックス(Skybox)」は、アイデアを生み出す生成型コラボレーションを念頭に設計されています。視覚/音響面でのプライバシーを考慮し、 85 インチのMicrosoft Surface Hub 2Sを中心に、軽量で持ち運び容易なFlex Perchスツールやソファなどさまざまな姿勢でカジュアルにコラボレーションできる雰囲気を創出しています。また、近接の屋外テラスはミーティングが長時間に及ぶ場合の休息エリアとして機能しています。

ワークカフェ

オープンな「ワークカフェ」には、従業員や来客が食事やコーヒーを楽しむことができるだけでなく、偶然の出会いから想定にないコラボレーションやミーティングを即座にできる環境が備わっている。

ワークカフェ(WorkCafe)」 は、あらゆる姿勢をとれるチェアやテーブル、モバイルコラボレーションデバイスなどを備え、NYオフィスのアイコン的スペースとして一日中人が行き交い、賑わう「場」として機能しています。仕事の合間のちょっとしたくつろぎや休息、また、部署を超えた偶然の出会いやすれ違いから生まれるイノベーション創発、計画しないミーティングやカジュアルな 1 対 1 の対話などその効果は莫大です。また、自然光や植物など自然を多く取り入れ、壁やパネル、オープン棚など縦のスペースを最大限に有効活用し、社員や来客の感覚を刺激しながら人を惹きつける要素を散りばめています。

フロントポーチ

今日のマルチワークを可能にした柔軟なチームスペースは、対面とネット両方でのコラボレーションを念頭に設計。朝、出社してワークカフェでコーヒーをテイクアウトし、メールチェックできる便利な場所として利用されている。

あらゆる魅力ある近隣地区の玄関口では、人を温かく迎える雰囲気が演出されています。「フロントポーチ(Front Porch)」は、交流とコラボレーション両方のスペースの境界を曖昧にし、迅速なコミュニケーションやハイブリッドコラボレーションを容易にしたカジュアルなチームエリア。カート付きディスプレイモニターや間仕切りを可動式にして柔軟性を高くし、必要に応じて即座にプライバシーを確保できるようにしています。ソファ席にSteelcase Flexモバイル電源を配置することで長時間に及ぶデバイス操作も快適に続行できます。

自分の居場所としての心地よさ

Steelcaseが提案する「オフィス・ネイバーフッド」は、私たちが住んでいる都市や近隣地区が居住する人の多様なニーズを満たすために多彩な機能を持ち合わせている様相と酷似しています。異なるニーズに対応できる多彩なスペースを備え、同僚とつながり、心地よさや帰属意識/愛着を感じながら自分の好きな場所を選択しながら働ける「場」です。

個室型プライベートスペースは、視覚的、音響的プライバシーの両方を考慮し、対面とリモート両方でのシームレスなハイブリッドミーティングを念頭に設計されている。

フォーカスルーム

「フォーカスルーム(Focus Room)」は、周囲の話し声や雑音から逃れて仕事に集中するためのスペース。ウェブ会議システム、ディスプレイやカメラ、背景画像等はハイブリッドワークの標準ツールとして欠かせません。この ソファ類 は直立またはリラックス姿勢の両方が可能で、モバイル電源は長時間に及ぶデバイス操作の際のバッテリー切れに対応。戦略会議など機密事項を含む会議用に最高レベルの視覚的/音響的プライバシーを提供しています。

異なるタイプのエンクレーブ(隠れ家)は、選択できるスペースが豊富で、ネットでの事前予約も可能。外部からの邪魔を防ぎながら一定時間スペースを所有しながら快適に仕事に集中できる。

人々のライフスタイルが多様化する中、住宅の種類が賃貸と分譲、家族向けと独身向け、一般的と個性的と多種多様なようにオフィスも同様です。「フォーカスルーム」は、どんな気分でどんな作業をするかによって選択が可能。例えば、左は終日または1日以上スペースを占有しながら仕事を遂行するスペース。中央はプライバシーを確保しながらビデオ通話やウェブ会議等で一時的に使用するスペース。右はよりリラックスした雰囲気の中で熟考したり、息抜きをしたり、くつろいだりとその種類は多彩です。

変革が不可欠

オフィスの設計デザインは都市や近隣地区から多くのことを学ぶことができます。これからのハイブリッドオフィス新時代の中心にあるのは、従業員がどこでどう働くかを自在に選択できること。そして、オフィスの新たな役割はハイブリッドワークをサポートし、信頼ベースの人間関係を構築し、帰属意識やコミュニティ意識を醸成する環境を提供すること、最終的には通勤してでも「出社したくなるオフィス」を創造することです。これは都市設計や街づくりがそうであるように、そこに住む・働く「人」を主役とした豊かな環境づくりによって実現できます。

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