オフィスでテント?

Steelcase Work Tents Collection(スチールケース・ワークテント・コレクション)がオフィスにパーソナルな空間と心地よさをもたらす

所要時間 4分

カリスマ主婦の草分け的存在、マーサ・スチュワートとヒップホップ界のスヌープ・ドッグ。パイナップルとピザ。ドット(水玉)とストライプ等々。

昔も今も、絶対にありえないと思われた組み合わせが思わぬ成功や感動を生んだ例がある。異なる要素が起こす化学反応である。そして、今、「オフィス」と「テント」が一緒になる。

オフィスでテント?

そう。この大胆な組み合わせがオフィスづくりに新風を巻き起こそうとしている。しかし、その誕生までの道のりは決して簡単なものではなかった。

事の発端は、Steelcaseデザインチームが米ウィスコンシン大学の研究者と共同でオフィスでのプライバシーに関する調査を実施したときである。その調査で分かったことは、聴覚的な雑音よりも視覚的な邪魔が注意力を散漫にさせ、仕事に集中できない環境をつくるというものだった。そこで比較的安価で持ち運びや移動が容易、軽量かつ最小限の材料を使用した柔軟性の高いソリューションを探し始めた。偶然にもチームの中には多くのアウトドア愛好家がいた。そこでまず思い浮かんだのがシェルターとプライバシー機能のあるテントである。チームはテントのさまざまな形状や素材、機能性を調べ上げた。その特長はなんといってもテント内にいる時の心理的安心感や心地よさだろう。「そうだ、働いている時にこの感覚を感じるように出来ないものだろうか?」というのが開発の始まりだった

異業種コラボ

チームは、アウトドア用品の名だたる世界的トップブランドであるBig Agnes、North Face、REIなどで製品開発に長年携わったインダストリアルデザイナーのクリス・ポッテンジャーに協力を仰いだ。彼の作品はテントや寝袋からバックパック、衣類や食器類まで多岐にわたった。

「テントの中にいると心地よく、安心感があります。テントをオフィスに持ち込むという斬新なアイデアにワクワクしました。是非プロジェクトに参加したいと思ったのです。」

 

先入観にとらわれない発想

開発チームはすぐに、テントの設計が慣れ親しんだ家具の開発プロセスとは大きく異なることに気づいた。「Steelcaseは、ウッドやスチールなどの硬い素材のものづくりには卓越しています。しかし、今回は全く違います。新たな素材を使用することで先入観が解かれ、デザインの幅が大きく広がったのです。」とポッテンジャーは語る。

チームはまず、設計エンジニアとテキスタイルの専門家を招き、徹底したデザイン思考のもとにスピーディにプロトタイプを製作し、その検証を繰り返した。例えば、圧縮や曲げ加工をしない引張力による張力構造の実現である。

まず、チームはパイプクリーナーや弦、ダクトテープの材料だけで、迅速に簡単な試作モデルを製作した。その中で構造そのものが動くように出来ているため、カタチがどう変わるかを予測するのが非常に難しいことに気がついた。

 

プライバシーとパーソナル

何ヶ月にもわたる調整とテスト、反復と創造を繰り返す中でようやくプロジェクトは完成していくことになる。完成したコレクションには、現在、3タイプのテント構造があり、用途に応じた独自の機能と特長を持っている。さらなるアイデアの具現化は現在も進行中である。もちろん、遊牧民の歴史を支えた初期の移動式住居やキャンプ場で使用されるものとは異なるがその古来からのコンセプトは変わらない。オフィスでちょっとプライバシーを確保したい場合、仕事に集中したい場合などそのシェルターとして最適なソリューションといえる。

(スチールケース・ワークテント・コレクション)には、現在下記の3タイプが販売されている。

バウンダリーテント

軽量かつ汎用性の高い自立型パーティション。オフィスでの従来の間仕切りを彷彿とさせるシンプルかつフラットなデザインで、最初に導入しやすい張力構造の標準タイプである。

バウンダリーテントは、必要に応じて空間を区切り、プライバシーを確保する自立型パーティション。

テーブルテント

デスクやテーブルなどあらゆる作業面に置くだけで、瞬時に視覚的プライバシーを確保でき、集中ワークをサポートできる。3面サイドと頭上を覆うことで視覚的な注意散漫を防ぎ、人が集まるデスクやテーブル周りでより安全かつ仕事に集中できるスポットへと転換できる。湾曲した立体型フレームと曲がりながら交差するポールにいかに張力構造を持たせるかが設計上の最大の課題であった。

テーブルテントは、デスクやテーブルでの集中ワークのために机上空間を覆うことでプライバシーを即座に確保できる便利なパーティション。

ポッドテント

一般的なテントを最も彷彿とさせるデザイン。伸縮させ、カタチを変えることで広めのテントを構築することも可能。英ロンドンの象徴的ランドマークであるガーキンビルからインスパイアされた外観は、アルミ製テントポールと皮膜のような素材だけで緩やかな傾斜フォルムを創り出し、広めの開口部やオープンルーフのあるシンプルな骨格構造から成り立っている。

ポッドテントは、オフィスでの視覚的邪魔を防ぐ避難所的スペースで、デスクやソファ等を配置できる。

 

集中しながら、楽しく働く

一般的なオフィスというイメージは直線的で重苦しい印象。ワークテントはそれとは対照的に軽くて風通しの良い流線的なフォルムが特長的だ。シンプルで軽快なシェルターは、オフィスで仕事に集中できるパーソナルなスポットを提供するだけでなく、楽しく、心地よく働くという遊び心も演出している。

詳細については、 Steelcase Work Tents Collection をご覧ください。