当ストーリーは、Steelcase 360シリーズ「距離を感じさせない工夫」のひとつです。
テレワークや在宅勤務は働き方改革やCO2削減のために移動手段を工夫することを目的に推奨されてきた。しかし、ここにきて新型コロナウイルスの感染拡大対策としてその流れが加速している。一部の人にとっては慣れ親しんだ習慣だが多くの人にとっては新しい働き方を提示するものだ。突然の導入に戸惑う家庭も多い。家族との距離が近づいたことや狭いスペースを工夫しながら仕事環境を整えなければならないことで新たな課題も見えてきた。
突然のテレワーク導入でそのメリットやデメリット、不満などが一度に浮上してきている。ひとりとして同じ人間がいないように全ての人に対応する万能なアプローチもない。こういうときにヒントになるのが優れたオフィスのノウハウだ。優れたオフィスにはテクノロジー、スペース、仕事に必要なツールが適切に備わっているからこそそこで働く人々は快適に仕事をこなすことができる。これは在宅勤務にも適応できるものだ。
では自宅で気分よく仕事がはかどるヒントをここに紹介しよう。
まずは自分(チーム)にとって
何が必要かを考えよう
オンオフを明確にする
ある人は自宅だと仕事をしすぎてしまうと言い、ある人は自宅は気が散りやすく集中できないと言う。個人の生活やその日の気分によって異なるのは当然だ。オンオフの切り替えを明確にすることで健康的かつ生産的にバランスをとりながら仕事をこなせるようになる。毎日、その日のスケジュールを決めてそれを守るように努めよう。
状況を可視化する
パソコンの前にいない場合には必ず同僚に 伝えよう。 カレンダーで知らせたり、利用しているチーム/コラボレーションソフトで自分の状態を常にアップデートしたり、不在時の自動応答などを積極的に活用しよう。特に異なるタイムゾーンで仕事をしている場合は、不在時や戻る時間をきちんと伝えることが効率性につながる。
帰属意識を維持する
在宅勤務中でも人間関係をきちんと維持する方法を考えよう。 メンバー同士がいつでも交流できるグループチャットを設定してみるとか。忙しくてストレスの多い時期にはユーモア溢れるキャラクターで呟こう。チームの結束を強くする にはこういったカジュアルなおしゃべりが効くものだ。情報交換を兼ねてビデオチャットで同僚とのコーヒータイムを設定しよう。遠隔で働くことはオフィスにいる時より多くの決めごとが必要になる。
チームが上手く連携できる方法を考えよう
継続的に人とつながる
ひとりだけで作業していると自分の世界に陥りやすい。毎日、素早くチームメンバーとネットでつながる環境を設定することが仕事を前進させる。
さまざまなツールを提供する
分散したチームメンバーには利用できるツールが揃っているわけではない。また、たったひとつのテクノロジーで全てが可能になるわけではない。インスタントメッセージング、ビデオ会議、書類の共有、ファイル転送などには一貫したツールを選ぼう。 そして、常に次にくるベストな方法を探し求めよう。体制が整わない状態もそう長くは続かない。
ネットでの仕事の見える化
アジャイルチーム の働き方から私たちが学べること、それはネット上にプロジェクトボードをつくることである。 メンバー全員の共通認識を同じにするために抱えている作業やその進捗状況、締め切り期日をリスト化することだ。そうすることで必要な時に救いの手を差し伸べることができる。
パソコン周辺にも目を向けよう
カメラの電源を入れる
電話会議では音声だけだから他の事をしていてもわからないので集中しにくいということがある。しかし、ビデオ/ウェブ会議は遠隔コラボレーションには欠かせない。 相手の表情やボディーランゲージから状況を読み取ることができるため、相手の話をより真剣に聞くことができるようになる。ビデオ会議を成功させるにはスタンドを置いたり後ろに下がったりしてカメラの位置を目の高さに設置すること。なるべく自然光を活用し、窓に背を向けるとシルエットのように映るのでそれは避けることも念頭におこう。
接続中断を防ぐ
Wi-Fi接続は安定しないこともがあるため有線/イーサネット接続を推奨する。また、ビデオ通話中は使用中のアプリケーションはすべて閉じるように心がけること。 高解像度で通信するには広い帯域幅が必要とするため重いファイルを共有する場合は別のデバイスを使用しよう。
「聞く/聞こえる」を意識する
反響しやすい硬い表面が多くある部屋は避け (例えばキッチンなど)、ラグなどの柔らかな素材のある部屋(例えばリビングルームなど)を選ぼう。ヘッドフォンはパソコンの音よりも性能が高いのでそれを利用しても良い。また、あるビデオプラットフォームから別のプラットフォームに切り替える場合には、ひとつを閉じてから別のプラットフォームを開くこと。最後に、ウェブ会議に遅れて入ったり自分が話していない場合には会話を中断しないように音声をミュートにしよう。
自分に合った場所や方法を選ぼう
集中できる方法を見つける
誰もがホームオフィスを持っているわけではない中で自宅の中で「仕事をする」スペースを明確にすること。 家族と話し合い、自分が「仕事中」という合図を認識させること。ソファで本を読んでいる場合もその例外ではない。家庭の煩雑さに気を取られがちな場合にはその煩雑さが見えないようにスペースを工夫しよう。また、ドアがなく音が気になる場合には周囲のノイズを低減するヘッドフォンを活用しよう。
姿勢を変える
自宅だとつい座りがちになる。意識して 姿勢を変えたり、 移動しながら働く場所を変えてみよう。 一日中部屋にいると頭も冴えなくなる。座る、立つ、腰掛ける、散歩するなど身体を動かすことで脳を活性化するよう心がけよう。
周囲との近接関係を考慮する
自宅での仕事環境を快適に効率的にするために自分と家具、テクノロジー機器の間の物理的距離を考えよう。 ホーム用家具は仕事をすることを前提につくられてはいない。ノートパソコンの配置は正しいか? 携帯デバイスを長時間使用することから起こる現代病「テキストネック」のような丸まった姿勢をとっていないか? ローテーブルにパソコンを置いて前かがみで仕事をしていないか? 例えば、ダイニングテーブルでのパソコン作業は最適な高さバランスではないため肩が凝る原因にもなることを覚えておこう。
好きなモノを周りに置く
「喜び」 は人間の6つの基本感情のひとつである。「喜び」を感じることは生産性を高めることも研究で実証されている。 好きな色のコーヒーカップ、感動的だったり笑えるような写真など自分をハッピーにするモノたちを周りに置くようにしよう。好きなモノに囲まれていると自然と心が穏やかになる。こういった些細なことが大きな違いを生んでいく。
あなたやチームの誰かが突然在宅勤務になった場合、働くリズムや規律を確立するまでにはある程度の時間もかかるだろう。自宅で仕事をするのは簡単で望ましい一方、突然ある一定期間独りきりで仕事をすると孤立感を感じ、同僚とのつながりが疎かになり仕事をこなすのが難しくなることもある。まずは、健康的な生活習慣、快適に働ける「場」、仕事をこなせるテクノロジー、人間関係の維持といったことを配慮しながら自分にとって気分良く仕事をこなせる環境をつくることを心がけよう。