人類 + 地球

APACのチェンジ・コープ:コロナ禍の香港、 マレーシア、インドの地域コミュニティを支援する

所要時間 4分

Steelcaseの使命は当初から常にシンプルです。人間の能力を最大限に発揮できるよう支援すること、それは高機能なオフィススペースづくりにとどまりません。昨今は国連の持続可能開発目標に沿って、地域コミュニティに直接投資することでより持続可能でインクルーシブ、かつ公平なグローバル社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。質の高い教育、男女共同参画、気候変動緩和対策という3つの柱のもとに社会のニーズに応え、次世代のより良い未来を創造することを目指しています。

このビジョンを実現するために社内で推進しているのがChange Corp(チェンジ・コープ)というソーシャルインパクトプログラムです。2019年に正式に設立された従業員主導のグローバルな活動で従業員がボランティアをしたり、助成金を申請したり、パートナー企業との関係構築のためのプラットフォームを提供しています。アジアでは、インド、香港、マレーシアに支部を持ち、地域コミュニティの課題に向けての前向きで意義ある変化をもたらしています。

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インドでの飢餓の撲滅と教育の民主化  

インドのプネにあるSteelcase Pune Change Corp支部の地域コミュニティでのボランティア時間は過去5年間で10,000時間を超えています。最近では飢餓や栄養失調の撲滅に取り組むNGO、Annamrita Foundationと提携して西ガーツ山脈のマハバレーシュワ山岳地帯の村人に食糧を届けるキャンペーン、プロジェクトアルパンを立ち上げました。

コロナ禍は観光依存の地元経済を壊滅させ、食料や日常必需品を買う余裕がないほど社会の貧困状態が深刻化しています。プロジェクトアルパンは、この地域の困窮世帯を支援するために、米、レンズ豆、小麦粉、香辛料などの必需品を含む200を超える食料品ボックスの調達と流通を整備しました。

Steelcaseのアソシエイトプロジェクトマネージャーであり、Pune Change Corp支部のメンバーでもあるラシケシ・パティルは、「私たちの事業活動が地域社会に貢献できることを誇りに思います。」と語っています。

また、この地域の教育環境を向上させるために、ボランティアで廃墟と化した病院の電気設備を改修工事して建物を学校施設へと再建しました。この新たな施設や地域コミュニティにおける教育の重要性を強く訴えたことで学校開設初年度には22の家族が入校しました。

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マレーシアでは本と衛生キット、そして、つながり

マレーシアのクアラルンプールでは、Steelcase KUL Change Corp支部(かつてのKBC Corporate Social Responsibilityグループ)が2018年に設立され、コロナ禍にセランゴール州の孤児院Nur Syaheera Home Shelter を支援し、消毒液やウェットティッシュを含む除菌セットや家庭用清浄製品、マスクが入ったCOVID-19キットを寄付しました。

さらに、質の高い教育とコミュニケーションを促進するために2021年6月に避難所に「イングリッシュファンコーナー」を、ライブラリーにはモジュール式書棚、心地よいカーペット、多くの本を備えた学習エリアを設置し、2022年には本の寄付活動が開始される予定です。

また、このスペースはフランス、香港、マレーシア、インドのSteelcaseチームと子供たちをつなぐZoomイベントのステージとしても利用されています。さまざまな遊びや双方向のプレゼンを通じて、多彩な文化背景を持つ人々とつながることで英語習得はもちろん、多様な文化や価値観を学ぶ機会を子供たちに提供しています。

「ゲームなどのイベントプログラムを通して子供たちとつながることの成果を実感しています。活動ベースの教育は、子供たちが世界共通の言語に慣れ親しむのに確実に役立っています。」と語るのはChange Corp Pune支部リーダーを兼務するインドのSteelcaseのアシスタントオペレーションプロジェクトマネージャーであるラシケシ・パティルです。

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香港での活動と平等

比較的厳しいコロナ禍規制の中で、Steelcase Change Corpの香港支部は、クリスマスや中秋節などの主要イベント中に手書きカードとケアパッケージを配布するなど高齢者を支援する現地NGOであるMighty Oaksと提携して活動を展開しています。

また、香港アフリカセンターと緊密に協力しながら少数民族コミュニティや亡命希望者のためのプログラムとワークショップも実施しています。例えば、現地の少数民族の学生を対象とした「デザイン思考」ワークショップの開催やアフリカセンター創設者であるイノセント・ムタンガを招待して難民体験に関する多様性、公平性、包含性(DEI)ワークショップも主催しています。

他のDEIイベントとしては、社会的問題を解決するEncompass HKの創設者であり、ピンクアライアンスの国際反ホモフォビア、トランスフォビア、ビフォビアキャンペーンのディレクターであるベニタ・チックを招待し、LGBTQ +運動の歴史と香港の平等への道のりに関して対話の機会も設けました。ネットでの啓蒙イベントも同時開催され、アジア太平洋地域全体から150人を超えるSteelcaseの参加者が集合しました。

香港支部はまた、女性や子供の貧困連鎖の解消を目的とした非営利団体である婦女基金会(TWF)と協力して、ジェンダー平等と女性の権利を訴えています。長年にわたり、TWFのメンターシップやプログラムを支援し、男女共同参画社会に向けての議論を地元企業の経営者と活発化させました。これらのイベントはリアルとネット両方で100〜200人の参加者を集め、大きな成果を上げました。

香港でのコロナ禍制限が緩和されるにつれ、Change Corpチームは、既存のパートナーシップとの関係を強化させ、地域コミュニティとより緊密に連携する活動に対してさらに投資することを計画しています。

Steelcaseアジアパシフィックのコンテンツストラテジスト兼Change Corp香港のボランティアであるゼカリア・チェンはこう述べています。「活動は常に変化しており、今年と来年にはより多くの地元企業との協賛イベントや取り組みを計画しています。」

私たちは、すべての地域コミュニティが経済的平等や質の高い教育、気候変動緩和策を備えた社会を実現できるよう取り組んでいます。 Steelcaseのソーシャルイノベーションプログラムの詳細については、こちらをご覧ください。

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