問題は静止した状態で座りしつづけること
Ken Tameling
最近の座ることへの批判は少し度が過ぎている気がしている。座ることは決して癌のように人を死なせるものではない。私たちは1日の多くの時間を座って過ごし、いまや、座ることなくして生活することはできないといってもよい。問題は「どう」座るかである。オフィスで1日中長時間同じ姿勢で座ることは、従業員のウェルビーングの生産性に大きな影響を与えるのだ。
座ること自体を問題視するのではなく、「座る」、「立つ」、「歩く」など幅広い姿勢をバランスよく取り入れることで健康的な働き方を実現すべきだ。
この「座る」、「立つ」、「歩く」という私たちの提案は、その根本に人間の身体は1つの姿勢で座り続けるようにできていないという考え方があり、作業内容にあわせて動きながら仕事をすることの重要性を説いている。 私の同僚の研究では、 私たちが「パレット」と呼んでいるバラエティに富んだスペースや姿勢がチョイスできることで、従業員のウェルビーングの向上につながることが明らかになっている。
身体を動かすというのは「座る」から「立つ」に姿勢を変えるだけでなく、座ったり立ったりしている間でも身体を常に動かすということが非常に重要といわれている。Steelcaseの「アクティブ・シッティング」という考え方は、リクライニング姿勢も含むさまざまな健康的な座位姿勢を提案している。一方で、「アクティブ・スタンディング」という考え方は、体重をわずかに移動させたり、フットサポートで足を支えることを推奨している。要は様々な姿勢を混在させながら、長期間、静的姿勢を保持しないようにすることなのだ。
日中に身体を動かすことは、身体的なウェルビーングを助長するだけではない。それは脳科学的にも多くのメリットをもたらすことがウォールストリート誌の最近の記事でも取り上げられている。1日の間に身体を動かしながら活動をすることで、人間はより意欲的に生産的に、そして創造力豊かになるようだ。
健康的に働くための処方箋
座る: 座る:座ることで人間はより集中しやすくなるため、バラエティに富む健康的な姿勢がとれ、その中で身体を動かすことが可能なチェアを選ぶことをお薦めしたい。ノートパソコンなどを机上面で使用する際には、リクライニングできること、そして、画面との距離をそのままに快適に作業が続行できる「ビジョン&リーチ」が考慮されていることを確認することも重要だ。さらに、タブレットやスマホを常に目の高さに保つことができ、歪んだ姿勢からくる首や肩の痛みの原因となる「テキストネック」を防止するアームサポートも不可欠だ。
下記の項目をご存知でしたか?
- 「座ること」は立った疲れを軽減する?
- 「座ること」は立っている間にかかる身体の上半身の重量の一部を、脚からチェアに移動させる?
- 「座ること」は上半身を安定させ、コンピュータ操作にとって最も効果的な姿勢である?
立つ:立つ姿勢は、身体をリフレッシュさせ、元気を回復させ、消費カロリーを増やす。座る、立つをうまく混在させながら働ける高さ調整可能なデスクを探すことだ。
下記の項目をご存知でしたか?
- 「立つこと」は血流を増やし、認知機能を促進する?
- 「立つこと」は特に食事後の代謝を高める?
- 「立つこと」は1日中直立姿勢で座りつづける状態を止めさせる?
歩く: ウォークステーションのような低速のトレッドミルや同僚と是非「歩行ミーティング」 を試してみよう。
下記の項目をご存知でしたか?
- 「歩くこと」は血流を促し、カロリーを燃やし、代謝を増加させる?
- 「歩くこと」は静止姿勢で座ったり立ったりすることよる筋肉の緊張を和らげる?
収益性:オフィスでの従業員の健康を高めるために、是非、座る、立つ、歩くことを仕事に取り入れてみてほしい。それぞれの利点を理解し、座位、立位状態でも常に身体を動かすことを意識することだ。座る、立つ、歩くことをバランスよく取り入れることで、身体的、認知的側面から従業員のウェルビーングを促進できる。気分良く快適に働けるだけでなく、チームの成果に意欲的に貢献し、結果としてより強力な組織の構築につながる。
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