Microsoft EnvisionイベントでSteelcaseとの提携プロジェクト「クリエイティブ・スペース」を紹介

Microsoft Envision 2017では、同社の最先端テクノロジーが「車」と働く「場」をどう変革させるかに聴衆の興味が集まった。

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「いまや変革を遂げていない業界など存在しません。この変革をリードする機会は皆に平等に与えられているのです。」とMicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏の力強い宣言で Microsoft Envision 2017 イベントは幕を開けた。ビジネスリーダーを対象にしたこのイベントはリーダー同士の学びの機会を提供すると同時に、企業を デジタル変革へと導くものであった。そこでのハイライトのひとつが、先日発表された「創造性」を核にしたSteelcaseとの協働提携だ。

今年の集いでは、例えば、IT、教育、ヘルスケア、金融といったかつてないほどの他業種が参加していることをNadella氏は強調して述べた。この参加企業の幅を見ただけでも企業が現在直面しているデジタル変革の本気度を表していた。

「私たちは 時代に相応しい職場環境づくり、つまり、組織の誰もが創造力を発揮しコラボレーションできる環境を構築しようとしています。そして、最終的にはテクノロジーを活用しながら新たなワークカルチャーをカタチづくることも可能になります。」とNadella氏は言う。

Microsoftは最先端テクノロジーを活用し、人間の生活のあらゆる部分、例えば、車や働く「場」を再創造するための革新的な方法を開発している。下記はMicrosoft Envisionイベントでハイライトされた2つの画期的プロジェクトの例だ。

MR(複合現実)技術で車をデザインする

イベントのデモで最も話題に上ったもののひとつが、Steelcaseの前CEOであるJim Hackett氏がCEOを務めるFordだ。アメリカのアイコン的自動車メーカーは、車を設計デザインする方法を変革するためにリアルとバーチャルを融合したMR技術を採用している。

これまでFordは、新デザインを試すために5000パウンドもの粘土模型を作り、そのプロトタイプを評価検討するために多くの人が関わり人の移動も多かった。Envisionイベントのステージで紹介したのが、MicrosoftのHololens(ホロレンズ)を活用することで古いやり方からの転換に成功した企業の姿だ。

真っ黒なデジタルストーリーボードを背景に車で作業する2人の参加者がステージに登場。その後、Hololensの仮想現実デバイスを着用し、ログイン認証されるとデジタルボードが作動した。複合現実環境はエンジニアやデザイナーたちが安全にどこからでもコラボレーションしながら、新しい車のデザイン案に3Dホログラムでコメントをし、検討できる環境を構築する。そして、再度レビューできるように資料に情報を追加できる。

スペースとテクノロジーが統合した「クリエイティブ・スペース」

Fordが車の設計デザインのプロセス改善に取り組む一方、 Steelcase は創造ワークをサポートする新たな方法を生み出すためにMicrosoftと協働している。プロセス重視の単純作業がマシンに取って代わられる一方で、企業は創造性を発揮しながらイノベーションを起こすことを従業員に望んでいる。そのためには創造ワークを促す職場環境とテクノロジーが不可欠となる。

Steelcase 前CEOのJim Keane氏とMicrosoft SurfaceのジェネラルマネージャーのRyan Gavin氏は、スペースとテクノロジーが融合することで生み出されるパワーについて語った。企業は不動産とテクノロジー戦略を切り離して考えることが多い。その中でSteelcaseとMicrosoftは協働することで組織と個人が創造性を発揮できるような包括的なソリューションを生み出すことに成功した。

両氏は、 「クリエイティブ・スペース」 の詳細を紹介した。「クリエイティブ・スペース」とは、相互に接続したテクノロジー融合型スペースで、創造ワークの5つの段階-集中、共創造、具現化、実験、休息といった創造ワークの全てのレベルの活動をサポートするものだ。また、両社は働く人の可能性を引き出すという共通したミッションを持つ。連携することで、チームはテクノロジーを最大限に利用し、創造ワークのフローを中断せずに作業を容易に移行できるスペースをどう設計したかも説明した。

Microsoft Envisionイベントで紹介された「クリエイティブ・スペース」ツアーを視聴するには以下の動画をご覧ください。